「転職したら年収が下がるんじゃないか」——転職を迷う理由として、これが一番多いかもしれません。
実際のところはどうなのか。40代女性のデータをもとに、正直にお伝えします。
40代の転職、年収はどうなる?
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、転職者全体のうち「前職より賃金が増加した」人は約34%、「変わらない」が約26%、「減少した」が約40%です。
つまり、転職者の約4割は年収が下がっています。
40代はこの「下がる」割合が高くなる傾向があります。理由は次の通りです。
年収が下がりやすい理由
退職金・年功賃金のリセット 現職で積み上げてきた勤続年数がリセットされます。年功序列が強い会社にいた場合、転職先では一からのスタートになることも。
業界・職種の変化 全く異なる業界・職種へのキャリアチェンジでは、スキルのマッチング度合いで年収が変わります。
管理職枠の少なさ 40代で転職を受け入れる企業は、即戦力のスペシャリストか、一般職として採用するかのどちらかになりがちです。管理職ポストを外部から採用する企業は多くありません。
でも、年収が上がるケースもある
「下がることが多い」とはいえ、上がるケースも確実にあります。
年収が上がりやすいパターン
専門スキルが明確な人 IT・経理・人事・法務・医療など、専門性の高いスキルを持っている人は、スキルに見合った報酬を提示してくれる企業に移ることで年収アップが狙えます。
今の会社の給与水準が低い 業界や会社によっては、同じ仕事内容でも給与水準が大きく異なります。同業他社への転職で年収が上がることは十分あります。
管理職として採用されるケース 人材育成・マネジメント経験がある人が、新しい組織の管理職として迎えられれば、年収アップも見込めます。
年収だけで判断しない視点
40代の転職では、「今より年収が上がるか」という視点だけでなく、長期的に見てどうかを考えることが大切です。
5年後・10年後で考える
今の会社にいた場合の年収推移と、転職先での年収推移、どちらが高くなるか試算してみましょう。
今は少し下がっても、成長している業界・会社に移ることで、5年後には逆転することもあります。
年収以外の「報酬」を数える
- 時間:残業が減って家族との時間が増えた
- 健康:ストレスが減った
- スキル:新しい経験が積める
- 安定性:倒産リスクの低い業界に移れた
これらも「報酬」です。年収だけで転職の成否を判断しないようにしましょう。
年収を守るための交渉術
転職時の年収は、エージェントを通じて交渉できます。自分で「いくらほしい」と伝えるより、エージェントが交渉してくれる方が高い結果になることが多いです。
交渉前に準備すること
1. 現職の年収を正確に把握する 基本給だけでなく、賞与・各種手当・インセンティブを含めた「年収総額」を計算しておきます。源泉徴収票を確認するのが確実です。
2. 希望年収の根拠を作る 「〇〇の経験があり、〇〇の実績を出した。市場価値として〇〇円を希望する」という根拠を用意します。
3. 最低ラインを決めておく 「ここを下回るなら断る」という最低年収ラインを決めておくと、迷わず判断できます。
一時的な年収ダウンを受け入れるべき場合
以下のような場合は、一時的な年収ダウンでも転職を検討する価値があります。
- 心身の健康が限界:健康は何より大切。年収より優先すべきことがある
- 業界・会社の将来性が低い:今は年収が高くても、先細りのリスクがある
- スキルが身につかない環境:40代以降も通用するスキルを積みたいなら、今のうちに動く
まとめ
40代の転職では、年収が下がるケースが多いのは事実です。ただし、事前の準備と交渉次第で、影響を最小限に抑えることはできます。
大切なのは、年収だけで転職を判断しないこと。5年後・10年後の自分のキャリアと生活を想像しながら、総合的に判断してください。
「年収が不安で踏み出せない」という方こそ、まずは情報収集から始めてみましょう。実際の求人を見ることで、現実的なイメージがつかめます。